■学校選択制とは? 投票はこちらへ すでに、品川区などで実施されている公立校の学校選択制。定員の範囲内であれば、自分が希望した学校に入学できるというものです。もちろん、公立の義務教育ですので、定員を超えても、試験で選抜されるわけではありません。 品川区などで実施された状況をみてみると、公立の小中学校でも、校長が学校説明会を開いたり、独自の行事や教育内容を積極的にPRするようになったそうです。こうして、学校選択制の導入を契機に、学校の情報公開が一気に進んでいるようです。 実際、これから本格的に始まる「総合的な学習の時間」は、学校によって学習内容が違ってきます。実際の学校の様子や、学校運営の実際などについて、よく吟味した上で学校を選ぶことができるようになれば、朗報だと思います。 ちなみに、品川では、すべての学校がホームページを持って情報公開を進めています。うちの区には、70校近くの区立校があるのですが、ホームページを持っている学校は、全くありません(2000年12月現在)。 ■教職員組合や共産党さんが反対 ただ、教職員組合や共産党さんなどは、競争の激化や学校間格差が発生する可能性を理由に、学校選択制に強く反対しています。 品川や杉並での調査では、学校の先生方の80%が反対している一方、保護者の75%が前向きに考えていることが明らかになっています(子どもや、その他一般の意見については、今のところデータがありません)。 このほか、現時点では、まだまだ学校情報(情報公開)が不足していることから、噂や風評で学校が選択されたり、施設の新しい学校に希望者が殺到するという問題も指摘されています。このため、うちの区のように、検討されるようになっても、なかなか導入することができないところもあります。 ※なお、先行して実施している地域の例では、学校選択制を導入しても、多くの子どもは最寄りの学校を選択しています。 ■メリットもデメリットもあるけれど 学校が選択できるようになれば、自然な形で転校もできるようになり、「いじめ」や「不登校」対策にも一定の効果を出すかもしれません。これによって、子どもと合わない学校や、たまたま問題のある担任の先生に当たったとしても、あまり気まずい思いをすることなく、転校できるようになるかもしれません。 ただ、選択といっても、結局、何を基準に選んでよいのかわからず、噂に振り回されるだけだったという保護者の声もあります。 たとえば、いじめや学級崩壊の実態を学校に問いただしても、個々の児童生徒のプライバシーを考えると、詳細な情報提供ができない場合も出てきます。そのためか、実際に「問題のある子が入学する」という噂が、根拠もないまま地域を飛び交い、入学希望者が激減してしまった学校もあったようです。このようなことが続けば、地域社会が崩壊すると指摘する人もいます。 ■検討する自治体は増える傾向に このように、メリットもデメリットもあると思いますが、学級崩壊や、いじめ・不登校の激増もあって、今の制度をつづけるのも、そろそろ限界。とはいえ、区市町村レベルで思うように教育予算を増やすことができないのも、悲しいかな現実。予算を確保するために赤字債を発行しつづけるのも、そろそろ限界なのです。 学校選択制は、そんな予算のない区市町村でも、努力次第で実施することができる数少ない制度。その是非は、いろいろあると思いますが、今後、検討しはじめる自治体は、飛躍的に増えていくように思います。 みなさんは、この学校選択制について、どうお考えになりますか?ご意見をお聴かせください。投票はこちらへ |